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お疲れ~
オレ、お疲れ~
今日は今までにない番外編。
カーフマンチャンピオンシップのリザルトには表されないレース状況や選手達の心境を書き綴りました。
これは読めばきっとデュアスロンに興味を持つはず!maybe
【カーフマンチャンピオンシップ】
1stRun5km-Bike30km-2ndRun5km
岐阜県海津町で行われたデュアスロンシリーズの最終戦。
この大会で3位以内に入ると10月にオーストラリアで行われる世界デュアスロン選手権の出場権が得られます。
スタートリストには昨年10月から行われたシリーズ戦の各stageの覇者やポイントラインキング上位の選手が名を連ね、まさしくシーズン最後の戦いにふさわしい状況になりました。
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~1stRun:1km×5周~
号砲とともに一斉に走り出し、まずは集団での位置取り。学生時代はスタートダッシュを決めて集団のペースをかく乱させたりしていたが、今は2ndRunで勝負をすることに重きを置いたレースを心掛けているため、まずは集団の選手の呼吸や表情を見分けながら走りを続けました。しかしながら、さすがは選ばれた選手たちなので、考えも近いものがあり、1周目のペースメイクはスタート後の飛び出しが先だった僕がすることになりました。2周目、わざとペースを落としたところで日本食研の平松選手が前に出て、ペースメイク。こういった場面で学生がダメ元でも積極的に前に出ないのは少し惜しい。3周目は4月から社会人(今井が先生!majide)になる今井選手が牽引。![{336BE039-E509-44AC-9E6B-29944DC4E2FC:01}]()
そして4周目に入ると優勝候補筆頭の深浦選手が前に出る。しかし、番手を取る選手がおらず、深浦選手を見送る形になってしまう。少し差が開いたところで前に出たのが田中選手。先を行く深浦選手を追う形は変わらず5周目でついに大学生の堀内選手が牽引。ペースが一定で集団内に留まっていれば走りやすい状況だったことから、集団は11名という大きさ。ラストの直線でバイクの立ち上がりでの集団崩壊を目論んで集団の先頭に立ち、バイクのトランジッションを迎えます。![{500F513C-ACB4-446E-BE53-483B37360CC2:01}]()
~Bike:5km×6周~
トランジに入った時間としては深浦選手の方が4秒速かったですが、レース前に何度もシュミレーションしたこの局面、「靴を脱いでヘルメットをかぶってバイクを持つ」バイクを手にかけたタイミングでは深浦選手と並んでいました。その後すぐにバイクを押して先頭で乗車ラインへ!!![{9CD8E974-877B-4230-9AFB-8A09A36B5A6F:01}]()
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すぐに靴を履き、ベロクロを締め、全力でアタック!このアタックは、ヘルメットがなかなかかぶれなかったり(首のストラップが止めれなかったり)、シューズを履くのに戸惑ったりした選手を置き去りにする重要なアタックになります。バイクの漕ぎ出しの5秒差は、集団を逃す元となりバイク終了時には5秒では済まされない大きな差を生んでしまいます。2km地点まで単独で逃げ続け、後ろの10名がどんな集団で追いついてくるのか楽しみに待っていると、期待とはうらはらに小集団になることなく10名の集団で追走してきていました。ファーストアタックが失敗してしまい意気消沈、折り返して向かい風区間へ。先頭集団となった集団のペースはかなりまったりペース。そんな中でも注意すべきは北関東stageと南関東stageで圧倒的なバイクの力を見せつけた戸原選手と実業団で集団走技術の高い平松選手です。このまったりペースの集団からアタックをかけて逃げを試みるとしたらこの2人以外はあり得ないと考え、無防備に学生やバイクを苦手とする選手の番手を取るのはやめて、この2名が集団後方にくるまで待機しました。3周目でアタックしようと脚を溜めていると2周目の向かい風区間で平松選手がアタック!!しかし、誰もチェックに入らず、平松選手もチェックに入られないことがわかると無駄足になるだけなので平松選手もペースを落とし、再度合流になりました。そして次は僕の出番!2周目最後の折り返し手前で先頭に立ち、折り返しをきれいに曲がろうとして、クレーチングにホイールを取られ、あわや落車の危機!!でも、きっとこの落車しかけた僕にビビッて後方はさらに減速をしているだろうとポジティブに考え、立ち上がりでアタック!!追い風も手伝って50km/h overで踏み続けると集団とかなり差が開いている。その後、46km/hを維持しながら後方を確認すると誰もチェックに入らずやっぱり集団で追走していることが発覚。。。アタック直後の平松選手ならまだしも、戸原選手もチェックに来てくれないとは…2km程度逃げた後向かい風区間に入るころには再度集団に戻り、またまったりサイクリングペースで脚を溜める。このままでは絶対にバイクを終わらせない。もっと揺さぶっていかないと、そのためには平松選手と戸原選手を巻き込んだアタックをしなければと思い、戸原選手を見ると深浦選手から水をもらっている!!majide どうやらバイク走行中にバイクボトルを落として、水分補給が出来ずにかなりヤバい状態みたいだ。いつもの異次元なバイクじゃないのは、このせいか…。
その後、鎮火状態のバイクだったが、ローテーションのタイミングで栗原―平松選手―戸原選手という絶妙な隊列が出来上がり、ラスト1周の立ち上がり、ここぞとばかりにアタック!!!出来るだけ踏んで、先頭交代。平松選手が出る!番手を取って、反応してくれた!!その後ろには戸原選手がいる。「よし、きた!!!」このまま3人で逃げを形成していける!と思ったが、イマイチペースが上がらず、、、1,5kmほど走行し再度合流。最後の向かい風区間では、いかに先頭でトランジに入るかを考えます。ラスト1km以降は我先にとアタックする選手がいるので、その選手に便乗する。その選手はだれか?考えた末に平松選手をチェック。ローテーションを乱してでも、多少肩を入れると譲ってくれるのがまったりペースの良いところ。そして、迎えたラスト1km。最初にアタックしたのは田中選手、それをチェックしたのは小田倉選手。日体大ラインのこの隊列は、なぜか後輩が便乗するという珍しい光景です。でも、注意すべきはこの日の最後の直線が向かい風ということ。残り1kmにしたって1分30秒はかかります。田中選手―小田倉選手の早仕掛けが失敗したところで、やはり平松選手が動きます!ラスト300mでの先頭平松選手の番手。さらにコース的にラスト150mからは車線が減るのでそれまでに先頭付近にいることが重要です。コースが狭くなったところで平松選手がシューズに手をかけると同時に少し踏んで平松選手と横並びになってから、シューズを脱ぎます。こうすることで後ろの選手は自然と前に出てくることは出来ない。無理に行こうとすると降車まで距離がなさ過ぎて、靴が脱げない。我ながら、完璧でした。そのまま平松選手と同時にトランジイン!!いや、平松選手が結構な速度で降車してました。Majide![{8CD158B8-7CF5-4D99-8676-789345D215D4:01}]()
そしてランへのトランジッションでも状況判断を欠かしません。平松選手のゼッケン9。僕のゼッケンと同じ奇数番号のため、バイクラックは右側です。ここで先を行く平松選手の右側を走行してしまうと、行く手を阻まれる形で平松選手はバイクを置くことになるので、あらかじめ左側を走行します。もちろん、これが偶数番号であれば逆を走行することになります。そして、僕の得意種目「バイクからランへのトランジ」です。
「バイクを置いて、右手でヘルメットのストラップを外しながら、左手で靴を取り、右手も使えるようになったら靴を履いて、走りはじめると同時にヘルメットを指定の籠へ。」
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最速トランジを考えた末にたどり着いたこの手順。痙攣もなし、脚もそんなに重くない!
~2ndRun:2,5km×2周~
ランコースに走りだして、すぐに「後ろと20m差!」という檄が飛び、トランジッションが成功したことを実感。あとはこの差を出来るだけ、つめられないように走るだけ!![{CCB3DCAE-1037-4EF4-B8B7-1EE442D92DAE:01}]()
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今まで練習で意識・研究した走りを実践していきます。腕を後ろに引いて推進量に変えるフォーム、重心を前において前の方で腕振りをするフォームなど一つの走りにこだわらず、少しでも適切なフォームで走っていきます。1km地点で中村選手に並ばれますが、冷静に後ろに付いて「大丈夫、向かい風の風除けで十分楽できてる。」と自分に言い聞かせます。折り返しを過ぎて後方から来たのが森選手・深浦選手・田中選手の3名。ここについていかないと3位以内も厳しい。こんな想いとは反対に、体が動かずついていけない。「世界選手権に行くんだろ?」「行けるよ!行け!!」ひたすら自分に言い聞かせて、少しでもくらいついていきます。しかし、ずるずると後退。3名はやがて先頭の中村選手に追いつき、4名の集団で1周目を終えます。そして、2周目。深浦選手がペースアップをすると中村選手がチギれ、田中選手がチギれ、森選手がチギれ、それぞれ単走の状態になります。追いつきたい追いつきたい。前を行く背中をひたすら目標にしていると、田中選手と中村選手がそれぞれ後方を確認するために振り向いている。「2人とも体力ギリギリでオレの追い上げをかなり恐怖感じているんだ。」その仕草から僕の方が気持ちでは現時点で優位に立てていることを実感しました。そしてラスト400m地点で多くの声援や檄がとびます。「エース、行けー!諦めるな!」「お願いだ!行けー!!」
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~レース後~
フィニッシュ後、ふらふらの足取りでフェンスに寄り掛かると、悔しい感情やこの日までの自分自身の取り組みがいろいろ思い出されてきて思わず泣いてしまいました。「エース、水置いとくよ。」と三川さんが声をかけてくれた瞬間、さらに胸が熱くなり。涙が止まらなくなりました。今までどんな悔しい試合をしてもすぐに切り替えて、涙を流すなんてことはしなかったのに、今回はそれほど心に決めていたし、常にイメージをしていたレースだったんだと実感しました。レース後応援をしてくれた方々の御礼がどうしても悔しさたっぷりの「ありがとう」でなんともスカッと晴れやかになれない気分でした。しかし、帰路の途中で思いました。「実力が足りないから4位だったんじゃない。みんなが僕を押し上げて、そして作り上げた4位なんだ。」と。そもそも僕1人だけじゃ、こうして世界選手権に行きたいなんて思える状態にはならなかったと思います。競技を諦めて山梨に転居、でもやっぱり諦めきれなくて、続けようと思った時に支えてくれた多くの方々がいました。その後も練習環境や練習仲間を作ってくれた方々がいました。そう思うとその時々のレースの結果だけを振り返るようではダメなんだと思いました。今回の4位は競技を諦めたくないと思った僕と一緒に走ってくれた仲間と作り上げたものなのだと思うと、本当の感謝としての「ありがとう」が言えるようになりました。今回の結果だけでは世界選手権の派遣基準をクリアしていませんが、間違いなく次に繋がる結果だったと実感しました。
今回のレースを応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。デュアスロンシーズンは終わりますが、これからはトライアスロンシーズンが開幕します。僕の夢はまだこの先にあります。
是非、また一緒に走ってください!!
よろしくお願いします!!
「明日やろうは、バカ野郎だ!」
エース栗原正明
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めでたしめでたし。
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R×L 様
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お疲れ~
オレ、お疲れ~
今日は今までにない番外編。
カーフマンチャンピオンシップのリザルトには表されないレース状況や選手達の心境を書き綴りました。
これは読めばきっとデュアスロンに興味を持つはず!maybe
【カーフマンチャンピオンシップ】
1stRun5km-Bike30km-2ndRun5km
岐阜県海津町で行われたデュアスロンシリーズの最終戦。
この大会で3位以内に入ると10月にオーストラリアで行われる世界デュアスロン選手権の出場権が得られます。
スタートリストには昨年10月から行われたシリーズ戦の各stageの覇者やポイントラインキング上位の選手が名を連ね、まさしくシーズン最後の戦いにふさわしい状況になりました。

~1stRun:1km×5周~
号砲とともに一斉に走り出し、まずは集団での位置取り。学生時代はスタートダッシュを決めて集団のペースをかく乱させたりしていたが、今は2ndRunで勝負をすることに重きを置いたレースを心掛けているため、まずは集団の選手の呼吸や表情を見分けながら走りを続けました。しかしながら、さすがは選ばれた選手たちなので、考えも近いものがあり、1周目のペースメイクはスタート後の飛び出しが先だった僕がすることになりました。2周目、わざとペースを落としたところで日本食研の平松選手が前に出て、ペースメイク。こういった場面で学生がダメ元でも積極的に前に出ないのは少し惜しい。3周目は4月から社会人(今井が先生!majide)になる今井選手が牽引。

そして4周目に入ると優勝候補筆頭の深浦選手が前に出る。しかし、番手を取る選手がおらず、深浦選手を見送る形になってしまう。少し差が開いたところで前に出たのが田中選手。先を行く深浦選手を追う形は変わらず5周目でついに大学生の堀内選手が牽引。ペースが一定で集団内に留まっていれば走りやすい状況だったことから、集団は11名という大きさ。ラストの直線でバイクの立ち上がりでの集団崩壊を目論んで集団の先頭に立ち、バイクのトランジッションを迎えます。

~Bike:5km×6周~
トランジに入った時間としては深浦選手の方が4秒速かったですが、レース前に何度もシュミレーションしたこの局面、「靴を脱いでヘルメットをかぶってバイクを持つ」バイクを手にかけたタイミングでは深浦選手と並んでいました。その後すぐにバイクを押して先頭で乗車ラインへ!!


すぐに靴を履き、ベロクロを締め、全力でアタック!このアタックは、ヘルメットがなかなかかぶれなかったり(首のストラップが止めれなかったり)、シューズを履くのに戸惑ったりした選手を置き去りにする重要なアタックになります。バイクの漕ぎ出しの5秒差は、集団を逃す元となりバイク終了時には5秒では済まされない大きな差を生んでしまいます。2km地点まで単独で逃げ続け、後ろの10名がどんな集団で追いついてくるのか楽しみに待っていると、期待とはうらはらに小集団になることなく10名の集団で追走してきていました。ファーストアタックが失敗してしまい意気消沈、折り返して向かい風区間へ。先頭集団となった集団のペースはかなりまったりペース。そんな中でも注意すべきは北関東stageと南関東stageで圧倒的なバイクの力を見せつけた戸原選手と実業団で集団走技術の高い平松選手です。このまったりペースの集団からアタックをかけて逃げを試みるとしたらこの2人以外はあり得ないと考え、無防備に学生やバイクを苦手とする選手の番手を取るのはやめて、この2名が集団後方にくるまで待機しました。3周目でアタックしようと脚を溜めていると2周目の向かい風区間で平松選手がアタック!!しかし、誰もチェックに入らず、平松選手もチェックに入られないことがわかると無駄足になるだけなので平松選手もペースを落とし、再度合流になりました。そして次は僕の出番!2周目最後の折り返し手前で先頭に立ち、折り返しをきれいに曲がろうとして、クレーチングにホイールを取られ、あわや落車の危機!!でも、きっとこの落車しかけた僕にビビッて後方はさらに減速をしているだろうとポジティブに考え、立ち上がりでアタック!!追い風も手伝って50km/h overで踏み続けると集団とかなり差が開いている。その後、46km/hを維持しながら後方を確認すると誰もチェックに入らずやっぱり集団で追走していることが発覚。。。アタック直後の平松選手ならまだしも、戸原選手もチェックに来てくれないとは…2km程度逃げた後向かい風区間に入るころには再度集団に戻り、またまったりサイクリングペースで脚を溜める。このままでは絶対にバイクを終わらせない。もっと揺さぶっていかないと、そのためには平松選手と戸原選手を巻き込んだアタックをしなければと思い、戸原選手を見ると深浦選手から水をもらっている!!majide どうやらバイク走行中にバイクボトルを落として、水分補給が出来ずにかなりヤバい状態みたいだ。いつもの異次元なバイクじゃないのは、このせいか…。


そしてランへのトランジッションでも状況判断を欠かしません。平松選手のゼッケン9。僕のゼッケンと同じ奇数番号のため、バイクラックは右側です。ここで先を行く平松選手の右側を走行してしまうと、行く手を阻まれる形で平松選手はバイクを置くことになるので、あらかじめ左側を走行します。もちろん、これが偶数番号であれば逆を走行することになります。そして、僕の得意種目「バイクからランへのトランジ」です。
「バイクを置いて、右手でヘルメットのストラップを外しながら、左手で靴を取り、右手も使えるようになったら靴を履いて、走りはじめると同時にヘルメットを指定の籠へ。」

最速トランジを考えた末にたどり着いたこの手順。痙攣もなし、脚もそんなに重くない!
~2ndRun:2,5km×2周~
ランコースに走りだして、すぐに「後ろと20m差!」という檄が飛び、トランジッションが成功したことを実感。あとはこの差を出来るだけ、つめられないように走るだけ!


今まで練習で意識・研究した走りを実践していきます。腕を後ろに引いて推進量に変えるフォーム、重心を前において前の方で腕振りをするフォームなど一つの走りにこだわらず、少しでも適切なフォームで走っていきます。1km地点で中村選手に並ばれますが、冷静に後ろに付いて「大丈夫、向かい風の風除けで十分楽できてる。」と自分に言い聞かせます。折り返しを過ぎて後方から来たのが森選手・深浦選手・田中選手の3名。ここについていかないと3位以内も厳しい。こんな想いとは反対に、体が動かずついていけない。「世界選手権に行くんだろ?」「行けるよ!行け!!」ひたすら自分に言い聞かせて、少しでもくらいついていきます。しかし、ずるずると後退。3名はやがて先頭の中村選手に追いつき、4名の集団で1周目を終えます。そして、2周目。深浦選手がペースアップをすると中村選手がチギれ、田中選手がチギれ、森選手がチギれ、それぞれ単走の状態になります。追いつきたい追いつきたい。前を行く背中をひたすら目標にしていると、田中選手と中村選手がそれぞれ後方を確認するために振り向いている。「2人とも体力ギリギリでオレの追い上げをかなり恐怖感じているんだ。」その仕草から僕の方が気持ちでは現時点で優位に立てていることを実感しました。そしてラスト400m地点で多くの声援や檄がとびます。「エース、行けー!諦めるな!」「お願いだ!行けー!!」

それまで意識してきたフォームなんてどっかいってしまって、ひらすら前に絶対追いつく!という熱い気持ちが僕を前に進めていました。そして、ラスト150mでついに中村選手を追い抜く!横にに並んだ瞬間に中村選手のオーラが消えた気がして、確実に勝ったと思えました。そして3位の田中選手を見ると、最後のカーブを曲がって、フィニッシュをするところでした。結果4位。届かなかった。

~レース後~
フィニッシュ後、ふらふらの足取りでフェンスに寄り掛かると、悔しい感情やこの日までの自分自身の取り組みがいろいろ思い出されてきて思わず泣いてしまいました。「エース、水置いとくよ。」と三川さんが声をかけてくれた瞬間、さらに胸が熱くなり。涙が止まらなくなりました。今までどんな悔しい試合をしてもすぐに切り替えて、涙を流すなんてことはしなかったのに、今回はそれほど心に決めていたし、常にイメージをしていたレースだったんだと実感しました。レース後応援をしてくれた方々の御礼がどうしても悔しさたっぷりの「ありがとう」でなんともスカッと晴れやかになれない気分でした。しかし、帰路の途中で思いました。「実力が足りないから4位だったんじゃない。みんなが僕を押し上げて、そして作り上げた4位なんだ。」と。そもそも僕1人だけじゃ、こうして世界選手権に行きたいなんて思える状態にはならなかったと思います。競技を諦めて山梨に転居、でもやっぱり諦めきれなくて、続けようと思った時に支えてくれた多くの方々がいました。その後も練習環境や練習仲間を作ってくれた方々がいました。そう思うとその時々のレースの結果だけを振り返るようではダメなんだと思いました。今回の4位は競技を諦めたくないと思った僕と一緒に走ってくれた仲間と作り上げたものなのだと思うと、本当の感謝としての「ありがとう」が言えるようになりました。今回の結果だけでは世界選手権の派遣基準をクリアしていませんが、間違いなく次に繋がる結果だったと実感しました。
今回のレースを応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。デュアスロンシーズンは終わりますが、これからはトライアスロンシーズンが開幕します。僕の夢はまだこの先にあります。
是非、また一緒に走ってください!!
よろしくお願いします!!
「明日やろうは、バカ野郎だ!」
エース栗原正明

めでたしめでたし。